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「不当条項」カテゴリー|消費者契約法判例集

◆ H18.06.28大津地裁判決

2010年5月30日 公開

平成17年(ワ)第701号敷金返還請求事件
未登載
裁判官 阿多麻子

【事案の概要】
建物賃貸借契約における敷金返還請求。敷引特約が10条に違反するか否かが争われた。

【判断の内容】
以下の理由から,敷引特約について10条に違反するとして,全額の返還請求を認めた。
① 1条の趣旨からは,10条は,民法の一般条項によっては無効とはならない条項でも,事業者と消費者との間の情報力・交渉力の格差によって消費者の利益が不当に侵害されているものと評価される場合にはこれを無効とするとして消費者の利益を擁護する趣旨。
② したがって,民商法の規定に比べて過大な負担を負わせる条項がある場合には,事業者の側において(1)消費者が法的に負担すべき義務の対価であるこ と,(2)契約締結時までにその旨の情報が提供され,格差が是正され,消費者が契約締結後になって初めて契約締結時に予定していたよりも不利益な状態に 陥ったとはいえないことを立証すれば,10条違反にはならない。
③ 賃料の一部前払い,更新料免除の対価,礼金という性質については,合理性がなく,説明もない。

◆ H18.07.26大阪高裁判決

2010年5月30日 公開

平成18年(ツ)第28号敷金返還請求・原状回復費用反訴請求上告事件
未登載
裁判官 井垣敏生,森野俊彦,大島雅弘
第1審 H18.02.28大阪地裁判決

【事案の概要】
建物及び駐車場の賃貸借契約の借主が,保証金の返還を求めた。貸主は,建物について敷引特約,駐車場について償却特約の合理性を主張し,同特約が10条に違反するか否かが争われた。

【判断の内容】
原審と同じ。
以下の理由から,建物について借主の故意過失による損傷部分についての費用を差引いた残額の保証金,駐車場について償却特約に基づく残額の保証金の返還を認めた。
①敷引特約は,自然損耗料,空室損料等の趣旨を兼ね備えており,関西地方では長年の慣行となっており,一定の合理性があり,暴利行為と認められる場合を除き有効である。
②償却特約も,自然損耗料,空区画損料等の趣旨を兼ね備えており,暴利行為と認められる場合を除き有効である。
③本件敷引特約は,保証金 60万円に対して50万円(約83%),賃料の6ヶ月分以上であり,10条に違反し無効である。
④本件償却特約は,保証金3万3000円について年20%ずつ償却,賃料の約半月分にとどまり,チェーンゲートの保守管理に費用を要する等,暴利行為とまでは認めがたく,有効である。

◆ H18.09.08大阪高裁判決

2010年5月30日 公開

平成18年(ネ)第466号不当利得返還請求控訴事件
未登載
裁判官 渡邉安一,矢延正平,川口泰司
第1審 H18.01.30京都地裁判決

【事案の概要】
外国語会話教室において,レッスンを受講するためのレッスンポイントを事前に一括して購入することとされ,その料金は購入ポイント数が多くなればなるほど 単価が安くなる制度が採用されている一方,途中解約する場合には,当初の単価ではなく,消化済みのレッスンポイントと同程度のコースの契約時単価(購入時よりも割高となる)を単価として精算することとされている約款が,特定商取引法49条2項1号イに違反して無効であるとして,精算金を請求した。教室側は,約款の合理性を主張した。

【判断の内容】
原審と同じ。
以下の理由から,精算金の返還請求を認めた。
① 本件規定は特定商取引法49条2項,同法49条7項の規制を受ける。
② 合理的な理由なく契約締結時ないし前払金の受領時に適用された単価と異なる単価を用いることは,これにより,役務受領者に対し,契約締結時ないし前払 金の受領時に適用された単価を用いて精算を行う場合に比較して高額の金銭的負担を与える場合には,実質的に,役務提供事業者に特定商取引法49条2項1号が許容する金額以上の請求を認めるものであり,特定商取引法が許容しない違約金ないしこれに類する金員を請求するものであるとして,同約款規定は無効であ る。

◆ H18.11.08京都地裁判決

2010年5月30日 公開

平成18年(レ)第37号敷金返還請求控訴事件
最高裁HP
裁判官 田中義則,阪口彰洋,大橋弘治
第1審 H18.04.28木津簡裁判決

【事案の概要】
敷金返還請求。敷引特約(35万円から30万円を差し引く)の効力が争われた。

【判断の内容】
以下の理由から,敷引特約が10条違反により無効であるとして返還請求を認めた。
① 敷引特約は,敷引の目的,敷引金の性質,敷引率が合理的なものであり,かつ,賃借人がこれを十分に理解・認識した上で敷引特約に合意をした場合は,賃借人の利益を一方的に害するということはできない。
② しかし,賃貸人の主張(賃料の一部前払い,契約更新時の更新料免除の対価,賃貸借契約成立の謝礼)は,合理性がない。敷引率も高い(85.7%)。

◆ H18.02.28大阪地裁判決

2010年5月30日 公開

平成17年(レ)第●号敷金返還請求控訴事件,平成17年(レ)第●号原状回復費用反訴請求事件
未登載
裁判官 岡原剛,遠藤東路,湯浅徳恵
上告審 H18.07.26大阪高裁判決

【事案の概要】
建物及び駐車場の賃貸借契約の借主が,保証金の返還を求めた。貸主は,建物について敷引特約,駐車場について償却特約の合理性を主張し,同特約が10条に違反するか否かが争われた。

【判断の内容】
以下の理由から,建物について借主の故意過失による損傷部分についての費用を差引いた残額の保証金,駐車場について償却特約に基づく残額の保証金の返還を認めた。
①敷引特約は,自然損耗料,空室損料等の趣旨を兼ね備えており,関西地方では長年の慣行となっており,一定の合理性があり,暴利行為と認められる場合を除き有効である。
②償却特約も,自然損耗料,空区画損料等の趣旨を兼ね備えており,暴利行為と認められる場合を除き有効である。
③本件敷引特約は,保証金60万円に対して50万円(約83%),賃料の6ヶ月分以上であり,10条に違反し無効である。
④本件償却特約は,保証金3万3000円について年20%ずつ償却,賃料の約半月分にとどまり,チェーンゲートの保守管理に費用を要する等,暴利行為とまでは認めがたく,有効である。

◆ H17.07.21東京地裁判決

2010年5月29日 公開

平成16年(ワ)第21104号
LLI
裁判官 杉山正己,瀬戸口壯夫,大畠崇史

【事案の概要】
大学入学を辞退した原告らが入学金・授業料等の返還を求めた。

【判断の内容】
以下の理由から,授業料の返還請求を認めた。
① 入学金の法的性質について,それ以外の趣旨を含むとの特段の事情のない限り,学生としての地位を取得する対価であるから,その返還を請求することはできない。
② 授業料について,4月1日以降の入学式前の時点で辞退した原告も含めて,平均的損害が生じたことをうかがわせる証拠はないから,その返還を要しないとする規定は全部無効であり,その返還を請求することができる。

◆ H17.09.07富山簡裁判決

2010年5月29日 公開

平成17年(少コ)第48号キャンセル料請求事件
消費者法ニュース65号164頁,66号93頁
裁判官 大西守

【事案の概要】
ペンション経営者がインターネット広告掲載申込契約を締結し13日後にキャンセルをしたところ,約款に基づき70パーセントのキャンセル料を請求された。キャンセル料について合意が成立しているか否かが争われた。
事業者であり消費者契約法の適用がない事案。

【判断の内容】
被告にとって極めて不利益な条項であるにもかかわらず,キャンセル料について十分に説明を行ったと認めるに足りる証拠はなく,被告が書面上承諾したとの外 形事実があることをもって,被告の真摯な承諾があったと認めることはできない,として,合意があったと認められないとし,請求を棄却した。

◆ H17.09.09東京地裁判決

2010年5月29日 公開

平成17年(レ)第67号不当利得返還請求控訴事件
最高裁HP国セン報道発表資料HP2006年10月6日,判時1948号96頁
裁判官 藤山雅行,大須賀綾子,筈井卓矢

【事案の概要】
挙式予定日から1年以上前に結婚式場の予約をし,その数日後に予約を取り消した場合において,予約金10万円の返還を認めない条項は10条,9条1項により無効であるとして,不当利得による返還請求をした。

【判断の内容】
挙式予定日の1年以上前から得べかりし利益を想定することは通常困難であり,仮にこの時点で予約が解除されたとしてもその後1年以上の間に新たな予約が入 ることも十分期待し得る時期にあることも考え合わせると,その後新たな予約が入らないことにより被控訴人が結果的に当初の予定どおりに挙式等が行われたな らば得られたであろう利益を喪失する可能性が絶無ではないとしても,そのような事態はこの時期に平均的なものとして想定し得るものとは認め難いとして,本 件取消料条項は9条1号により無効であるとし,返還請求を認めた。

◆ H17.09.27京都地裁判決

2010年5月29日 公開

平成16年(ワ)第2571号敷金返還請求事件
未登載
裁判官 水上敏

【事案の概要】
敷金20万円余りの返還を求めた。原状回復条項が公序良俗違反,10条違反かどうかが争われた。

【判断の内容】
本件賃貸借契約が消費者契約法施行後に合意更新されていることから同法の適用を受けるとし,自然損耗分を借主負担と定めた部分を10条に違反するとし,返還請求を認めた。

◆ H17.09.30大阪地裁判決

2010年5月29日 公開

平成17年(レ)第72号受講料等返還請求控訴事件
消費者法ニュース66号209頁
裁判官 三代川俊一郎,金田洋一,三芳純平
第1審 H17.01.27東大阪簡裁判決

【事案の概要】
こども英会話講師養成認定資格の受講契約を締結し,入会金と受講料を振り込んだが,受講前に解約し,入会金と受講料の返還を求めた。

【判断の内容】
次の理由から,入学金2万円を除く既払い金25万円の返還請求を認めた。
① 本件受講契約は準委任契約である。
② 不解除条項は10条違反であり無効である。
③ 不返還条項は9条1号の趣旨に反する。
④ 入学金2万円は約定のクーリングオフ期間中申込者の受講枠を確保する対価(権利金)の性質を有する。
⑤ 入学金部分について平均的損害を超えることの立証がない(9条1号の「平均的な損害」の立証責任が消費者にあることを前提)。

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