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「2010年」アーカイブ|消費者契約法判例集

◆ H21.09.25京都地裁判決(1)

2010年6月16日 公開

平成20年(ワ)第947号更新料返還等請求事件,同第1287号更新料反訴請求事件,同第1285号保証債務履行請求事件
最高裁HP,判例時報2066号95頁
裁判官 瀧華聡之,佐野義孝,梶山太郎
控訴審 H22.02.24大阪高裁判決
上告審 H23.07.15最高裁判決

【事案の概要】
建物賃貸借契約について,更新料条項及び定額補修分担金条項はいずれも10条に反し無効であるとして,賃貸借契約中に3回にわたり支払った更新料合計22万8000円及び契約締結時に支払った定額補修分担金12万円の返還を求めた事案

【判断の内容】
以下の理由により,更新料,定額補修分担金の返還請求を認めた。
① 更新料について,賃料の補充とみることや,賃借権強化の対価の性質を有するとみることは困難であるし,更新拒絶権放棄の対価という性質も希薄であって,更新料は,更新の際,賃借人が賃貸人に支払う金銭という一種の贈与的な性格を有するもの。
② 更新料条項について,賃貸借契約締結の際の考慮要素になっており中心条項であり10条前段違反にならないという考えは,寄るべき法的基準がなく私的自 治にゆだねられている場合であって,更新料条項については民法601条の規定が存在し,全く私的自治にゆだねられているわけではない。
② 原告と被告との間の情報量の格差等の事情から,10条に反して無効。
③ 定額補修分担金についても,10条に反して無効。

◆ H21.08.27大阪高裁判決

2010年6月16日 公開

平成20年(ネ)第474号更新料返還等請求控訴事件,平成20年(ネ)第1023号賃料請求反訴事件
判例時報2062号40頁
裁判官 成田喜達,亀田廣美,高瀬順久

【事案の概要】
居室の更新料返還請求。更新料条項の有効性が争われた。

【判断の内容】
以下の理由から,本件更新料条項は10条違反であるとして,更新料の返還請求を認めた。
① 更新拒絶権放棄の対価,賃借権強化の対価,賃料の補充という賃借人側の主張を詳細に検討していずれも否定し,特に性質も対価となるべきものも定められ ないままであって,法律的には容易に説明することが困難で,対価性の乏しい給付というほかないとし,10条前段に該当するとした。
② 10条後段該当性については,法1条にかんがみ,契約当事者の情報収集力等の格差の状況及び程度,消費者が趣旨を含めて契約条項を理解できるもので あったかどうか等の契約に至る経緯のほか,消費者が契約条件を検討する上で事業者と実質的に対等な機会を付与され自由にこれを検討していたかどうかなど諸 般の事情を総合的に検討し,あくまでも消費者契約法の見地から,信義則に反して消費者の利益が一方的に害されているかどうかを判断すべきである。
③ 本件更新料条項の10条後段該当性についても詳細に検討し,不合理性,不当な顧客誘因性,強行放棄の存在から目をそらせる役割を果たしているとして,該当するとした。
④ 主たる給付の対価に関する条項は,取引の本体部分となり,それは基本的に市場の取引により決定されるべきであるから10条の適用対象とならないのが原 則であるが,対価を理解すべき情報に不当な格差があり,又は理解に誤認がある場合には上記原則のように言うことができないことは自明であり,上記原則が適 用されるためには,その前提として,契約当事者双方が対価について実質的に対等にまた自由に理解しうる状況が保障されていることが要請されるとして,本件 ではこれを満たしていないとした。

◆ H21.08.07東京簡裁判決

2010年6月16日 公開

平成21年(少コ)第998号敷金返還請求本訴事件(通常手続移行),平成21年(ハ)第23060号解約違約金等請求反訴事件
最高裁HP
裁判官 藤岡謙三

【事案の概要】
建物賃貸借契約で,敷金返還請求に対し,貸主が修理代,及び,1年未満での解約を理由として2ヶ月分の違約金を請求した事案。2ヶ月分の違約金の定めが9条違反となるかが争われた。

【判断の内容】
以下の理由から,2ヶ月分の違約金の定めが9条1項違反として,1ヶ月分を超える部分の請求を棄却した。
① 中途解約の場合の違約金の定め自体は,直ちに10条違反となるとはいえない。
② 違約金については,一般の居住用建物の賃貸借契約において途中解約の場合に支払うべき違約金額は賃料の1ヶ月分とする例が多数であり,相当。これを超える部分は9条1号により無効。

◆ H21.07.30京都地裁判決

2010年6月16日 公開

平成20年(ワ)第3216号保証金返還請求事件
未登載
裁判官 辻本利雄,和久田斉,戸取謙治
控訴審 H21.12.15大阪高裁判決
上告審 H23.07.12最高裁判決

【事案の概要】
マンション居室の敷金返還請求。敷引条項の有効性が争われた。

【判断の内容】
以下の理由から,本件敷引条項は10条違反であるとした。
① 本件敷引条項は,10条前段に該当する。
② 10条後段該当性については,法1条にかんがみ,当事者の属性,契約条項の内容,契約条項が具体的かつ明確に説明され消費者がその条項を理解できるものであったか等種々の事情を総合考慮して判断すべきである。
③ 貸主の主張する敷引の性質はいずれも合理性がない。

◆ H21.07.23京都地裁判決

2010年6月16日 公開

平成20年(ワ)第3224号敷金返還請求事件
最高裁HP,判例時報2051号119頁
裁判官 辻本利雄,和久田斉,戸取謙治

【事案の概要】
マンション居室の敷金返還請求。敷引条項,更新料条項の有効性が争われた。

【判断の内容】
以下の理由から,本件敷引条項,更新料条項は10条違反であるとした。
① 本件敷引条項は,10条前段に該当する。
② 10条後段該当性については,法1条にかんがみ,当事者の属性,契約条項の内容,契約条項が具体的かつ明確に説明され消費者がその条項を理解できるものであったか等種々の事情を総合考慮して判断すべきである。
③ 貸主の主張する敷引,更新料の性質はいずれも合理性がない。

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