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「2010年」アーカイブ|消費者契約法判例集

◆ H21.07.02京都地裁判決

2010年6月16日 公開

平成20年(ワ)第2307号敷金返還請求事件
未登載
裁判官 辻本利雄,和久田斉,戸取謙治
控訴審 H21.12.03大阪高裁判決

【事案の概要】
マンション居室の敷金返還請求。敷引条項の有効性が争われた。借主が司法修習生であり法律的知識があるとして,10条違反にはならないと貸し主から主張された。

【判断の内容】
以下の理由から,本件敷引条項は10条違反であるとした。
① 本件敷引条項は,10条前段に該当する。
② 10条後段該当性については,法1条にかんがみ,当事者の属性,契約条項の内容,契約条項が具体的かつ明確に説明され消費者がその条項を理解できるものであったか等守株の事情を総合考慮して判断すべきである。
③ 借り主は法律知識を有していたことは認められるが,建物賃貸借上の諸条件に関する情報について一般の消費者以上の情報を有していたとは認められない。また,借り主は当該条項について交渉の余地がほとんどない。

◆ H21.06.19東京地裁判決

2010年6月16日 公開

平成20年(ワ)1275号立替金請求事件
判例時報2058号69頁,消費者法ニュース83号220頁,国セン報道発表資料(2011年11月11日公表)
裁判官 外山勝浩

【事案の概要】
医療機関との間で包茎手術とこれに付随するコラーゲン注入術の診療契約を締結した際,クレジット会社との間で治療費の立替払い契約を締結した事案。

【判断の内容】
当該手術が医学的に一般に承認された方法で行われると考えるのが通常であること,本件亀頭コラーゲン注入術が医学的に一定の効果を有するものであったとしても,当該術式が医学的に一般に承認されたものとはいえない場合には,その事実は4条2項の「当該消費者の不利益となる事実」に該当すること,本件亀頭コラーゲン注入術が医学的に一般に承認された術式と認めることが困難であり,逆に有用性については疑問が示され消費者被害救済の対象とされているものと認め られるとして,立替払い契約全部の取り消しを認めた。

◆ H21.06.16大阪高裁判決

2010年6月16日 公開

平成21年(ネ)第527号敷引条項使用差止請求控訴事件
消費者庁HP判決写し(PDF、京都消費者契約ネットワークHP)
裁判官 渡邉安一、安達嗣雄、明石万起子
適格消費者団体 京都消費者契約ネットワーク
事業者 大和観光開発株式会社
第1審 H21.01.28京都地裁判決

【事案の概要】
適格消費者団体が不動産賃貸業者に対し,10条違反である敷引条項の使用差止,及び差止に必要な措置を求めたところ,使用差止については業者が請求を認諾したため,差止に必要な措置の命令の可否が争われた事案

【判断の内容】
控訴棄却。
①従業員らに対して当該条項を含む意思表示を行うための事務を行わないよう指示することという主位的請求については,事業者に特定の作為を求める給付の訴えであり、債務名義として執行によって実現される事業者の義務を控訴人は明らかにする必要があるが、控訴人の請求は、当該条項を使用した意思表示を行うための事務を行わないよう指示を求めるだけであり、書面によることの要否等、その方法、程度、内容が一義的には明らかでなく、どのような措置をとれば法的義務を履行したことになるのか明らかでないことから、請求の特定を欠き不適法。
②予備的請求として、従業員らに対して、当該条項を含む意思表示を行うための事務を行わないよう周知徹底させる内容を記載した書面の配布を行うよう求めたことについて,被控訴人がその従業員等に対して、当該条項を含む意思表示を行うための事務を行わないよう周知徹底していること等を主張しているのに対し、控訴人は、被控訴人が当該条項を含んだ意思表示を行うおそれがあることを基礎付ける事実を何ら主張せず、被控訴人が当該条項を含んだ意思表示を行う蓋然性が客観的に存在していると認めることはできない。

◆ H21.06.04名古屋簡裁判決

2010年6月16日 公開

平成20年(少コ)第438号敷金等返還請求事件(通常訴訟手続に移行)
最高裁HP
裁判官 佐藤有司

【事案の概要】
建物賃貸借契約において,敷引条項を無効として返還請求を認めた事例。

【判断の内容】
以下の理由から,本件敷引条項は10条違反で無効として返還請求を認めた。
① 敷金は一般に賃貸借契約から生ずる賃借人の債務を担保するために賃借人から賃貸人に差し入れられたものであるから,賃借人に未払家賃,修繕費等の債務 がない場合には,他に合理的な理由がない限り,賃貸人は賃借人に返還する義務を負い,これと異なる定めは10条により無効になる。
② 本件で合理的理由はない。

◆ H21.05.21京都地裁判決

2010年6月16日 公開

平成21年(レ)第14号保証債務履行請求控訴事件
未登載
裁判官 辻本利雄,和久田斉,戸取謙治
原審 H21.01.13右京簡裁判決

【事案の概要】
連帯保証人に対する貸金業者からの保証債務履行請求。

【判断の内容】
次の理由から,消費者契約法による取り消しを否定して原審判決を取り消し,錯誤無効の主張も排斥して請求を認容した。
① 「消費者」(2条1項)とは,消費者契約法が制定された趣旨からすると,自らの事業としてでなく,自らの事業のためにでもなく契約の当事者となる主体をいう。
② 「媒介の委託を受けた第三者」(5条)とは,事業者が第三者に媒介を委託して事業活動を拡大し,利益を得ている以上,その第三者の行為による責任を事業者も負担すべきであるという趣旨にかんがみ,その第三者が媒介の委託を受けた事業者との共通の利益のために契約が締結されるよう尽力し,その契約締結について勧誘をするに際しての第三者の行為が事業者の行為と同視できるような両者の関係が必要となる。
 本件借主は,事業者である貸金業者の事業活動拡大等のためではなく,あくまで自らが資金を獲得するという利益のために保証人となるように依頼したのであり,貸金業者と共通の利益を有しているということはできず,第三者にあたらない。

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