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「不当勧誘」カテゴリー|消費者契約法判例集

◆ H24.01.31東京地裁判決

2013年6月21日 公開

平成22年(ワ)第34752号慰謝料等請求事件
ウエストロー・ジャパン、国セン発表情報(2013年11月21日公表)
裁判官 上田哲

【事案の概要】
 旅行業者である被告との間で旅行契約を締結して被告主催のツアーに参加した原告らが、クルーズ船において割り当てられた客室が身体障害者仕様の海の見えない客室であったことが被告の債務不履行又は消費者契約法4条4項1号所定の「重要事項」に係る説明義務違反の不法行為を構成すると主張して、被告に対し、損害賠償を求めた事案。

【判断の内容】
 以下のように判断し、請求を棄却した。
① 「重要事項」(4条4項1号)とは,当該消費者契約の目的となるものの質,用途その他の内容等であって消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきものをいうところ,この「消費者の・・・判断に通常影響を及ぼすべきもの」とは,契約締結の時点の社会通念に照らし,当該消費者契約を締結しようとする一般平均的な消費者が当該消費者契約を締結するか否かについて,その判断を左右すると客観的に考えられるような,当該消費者契約についての基本的事項,換言すれば,通常予見される契約の目的に照らし,一般平均的な消費者が当該消費者契約の締結について合理的な意思形成を行う上で通常認識することが必要とされる重要なものをいうと解される。
② 本件の事情からは、「バルコニー付スタンダード」中に本件船室が含まれていることが,一般平均的な消費者が旅行契約の締結について合理的な意思形成を行う上で通常認識することが必要とされる重要なものであるとはいえないから,「重要事項」に当たるとはいえないし,その他,信義則等の一般原則に照らしても,本件契約の締結に際し,被告が原告ら主張のような説明義務を負っていたとは認められない。

◆ H24.03.27東京地裁判決

2013年6月19日 公開

平成22年(ワ)第38195号不当利得返還請求事件
ウエストロー・ジャパン、国セン発表情報(2013年11月21日公表)
裁判官 杉本宏之

【事案の概要】
 原告が被告から,不動産投資と勧められて2件の不動産を購入したが,その後,本件不動産の価格が下落していることが判明したこと,被告から重要事項について不実の事実を告げられ,かつ,断定的判断の提供をされたなどを主張し,4条1項2項等による本件不動産の売買契約の取消しを求めた事案。

【判断の内容】
 本件契約締結の際,重要事項である物件の客観的な市場価格を提示していないこと,家賃収入が30年以上に亘り一定であるなど非現実的なシュミレーションを提示し,原告に月々の返済が小遣い程度で賄えると誤信させたこと及びその他原告が物件についての不動産投資をするに当たっての不利益な事情を十分説明していなかったことを認定し、不利益事実の不告知により契約を締結したものとして、4条2項による取消を認めた。

◆ H24.05.15東京地裁判決

2013年6月18日 公開

平成23年(ワ)第616号損害賠償請求事件
ウエストロー・ジャパン、国セン発表情報(2013年11月21日公表)
裁判官 始関正光

【事案の概要】
 土地売買契約の解除にともなう違約金請求。契約の締結に際し原告に不実告知があったとして、売買契約の取消が争われた。

【判断の内容】
 見積書に記載された試算は、本来の意味における評価額の算定をしたものではなく、原告の見積額として提案する額が被告にとって本件各土地を保有し続けて地代を収受するよりもはるかに有利であると見せかけるために記載されたものと認定し、本件各土地の対価という重要事項について事実と異なることを告げ、被告をして、本件各土地を原告に1450万円で売却する方が、これらを保有し続けて地代を収受するよりも有利であると誤信させたものであるとして、4条1項1号による取消を認め、違約金請求を棄却した。

◆ H24.10.16東京地裁判決

2013年6月5日 公開

平成23年(ワ)第15640号売掛金請求事件
ウェストロー・ジャパン
裁判官 杉山順一

【事案の概要】
 ホストクラブ経営者から顧客への飲食代金請求。原告が飲食等の提供にあたり独身である旨の虚偽の事実を告知し被告との間で性的関係を持ち、これにより被告が来店し顧客となることが原告との交際に有意義であることを誤信させたことが不実告知にあたるとして契約を取り消すなどと争われた。

【判断の内容】
 ホストクラブは女性の遊戯場的な飲食店であり,その営業内容からして,ホストと客が真剣に交際することや結婚するに至ることが予定されているものでないことは明らかであるから,本件飲食等提供契約において,ホストである被告が独身か否かはそもそも重要事項に当たると認めることはできないとして、不実告知による取消を否定した。

◆ H24.11.27高松高裁判決

2013年5月9日 公開

平成24年(ネ)第339号解約金返還請求控訴事件
判例時報2176号33頁
裁判官 小野洋一、池町知佐子、大嶺崇
第1審 H24.5.30高松地裁判決

【事案の概要】
 携帯電話会社(エヌ・ティ・ティ・ドコモ)との携帯電話利用契約締結について、割引サービスにおける解約金の説明が不利益事実の不告知にあたるとして契約の取消、解約金の返還請求をした事案。請求を棄却した第1審に対する控訴審。

【判断の内容】
4条2項による取消を否定し、控訴棄却。
① 契約の際に交付されたガイドブックの記載内容や記載状況から、契約の際の説明はこれら文書に記載されたところに従って行われたとの推認が可能。
② これら記載からは、解約金の内容を理解しうるものであり、その記載が、本件契約における解約金が自動更新後には生じないなどと故意に誤認させ、故意に不利益事実を告知しないものであるとまでいうことはできない。

◆ H22.10.07三島簡裁判決

2012年12月1日 公開

消費者法ニュース88号225頁、国セン発表情報(2012年11月1日公表)

【事案の概要】
 被告Y1は、連鎖販売取引において波動エネルギーを記憶させた水(本件商品)を販売していたところ、本件商品が近眼、花粉症、アトピー等に効果があるとの説明を受けた原告は、本件商品を割安に購入する目的で連鎖販売取引の仕組みに参加し本件商品を購入した(本件売買契約)。しかし、本件商品に当該効能はなかったとして、原告が被告Y1に対し、被告Y1の勧誘行為は不実の告知に該当するとして、法4条1項1号他による本件売買契約の取消および不当利得の返還を請求した。また、原告は被告Y2と本件商品購入につきクレジット契約を締結したところ、被告Y2は法5条の「事業者」に該当するとして、クレジット契約についても同法5条・4条1項1号による取消を請求した。

【判断の内容】
 連鎖販売取引における売買契約の一方当事者が法2条1項の「消費者」に該当するかにつき、連鎖販売取引であっても自らの消費のためだけに商品の購入契約を締結する場合は同条項の「消費者」に該当するとして、原告の「消費者」該当性を認めた。その上で、被告Y1に対する請求については、本件売買契約の勧誘に当たり、被告Y1が本件商品を飲むことで病気が治る等の説明をしたことは法4条1項1号の不実の告知に該当するとして、同条項による取消を認めた。なお、被告Y2に対する請求については、被告Y1が同法5条にいう「媒介の委託を受けた第三者」には当たらないとして、クレジット契約の取消を認めなかった。

◆ H24.06.26横浜地裁判決

2012年12月1日 公開

平成24年(レ)第126号不当利得返還請求控訴事件
消費者法ニュース93号75頁、NBL988号1頁、国セン発表情報(2013年11月21日公表)
裁判官 森義之、竹内浩史、橋本政和
第1審 横須賀簡裁平成23年(ハ)第650号

【事案の概要】
 過払い金返還請求。借主本人と貸金業者間で、真実は過払い状態なのにその事実を業者が告知せず、残債務があることを前提とする和解契約を締結していたため、和解契約が不実告知にあたるかどうかが問題となった。

【判断の内容】
 以下の理由から、和解契約の取消を認め、不当利得返還請求を認めた。
① 貸金業者従業員が「今後の利息をなしにして支払う方法があります」「毎月最低いくらならはらえますか」「毎月最低1万円お願いします」などと貸金債務の存在を前提とする発言をしたこと、和解契約締結時は平成18年最高裁判決が言い渡されてから3年以上が経過しており、貸金契約に期限の利益喪失条項が存在していることからは、貸金業法43条の適用が認められないことが明らかであること等から、和解契約は貸金業者従業員の詐欺によって締結されたものというべき。
② 上記従業員の発言は、重要事項について不実告知をしたものであり、和解契約は4条1項1号により取り消すことができる。

◆ H24.05.30高松地裁判決

2012年12月1日 公開

平成23年(ワ)第465号解約金返還請求事件
国セン発表情報(2012年11月1日公表)
控訴審 H24.11.27高松高裁判決

【事案の概要】
 原告が、電気通信事業等を営む被告に対し、被告の提供する携帯電話の割引サービス(本件契約)につき、販売時における表示がわかりにくく、法4条2項、法9条、法10条および民法90条に違反しており無効であるとして解約金の返還を請求した。

【判断の内容】
 被告の販売時における表示等によれば、消費者は本件契約が2年間ごとの契約であって契約期間中に解約した場合には契約満了月の翌月を除いて解約金が発生すると理解することが十分可能であり、直ちに消費者を誤信させるものではない。また、解約金の規定についても、パンフレットに明記されていること、不利益となる事実を故意に告げなかったとは認められないこと、原告が通常の料金プランの場合と比較して既に解約金を超える利益を得ていること等の事情からすると、本件契約の規定は消費者の利益を一方的に害するものとはいえず、消費者契約法各条項その他の法律に違反するとは認められないとした。

◆ H24.05.10東京地裁判決

2012年12月1日 公開

国セン発表情報(2012年11月1日公表)

【事案の概要】
 原告は、通信機器の開発製造等を行っているという被告の従業員から、被告の株式を購入すれば被告が上場後に倍額で買い取り可能であるなどと執拗な勧誘を受けて株式を購入し、その後、被告の株式を高値で買い取るという業者からの勧誘を受けて、さらに購入を続けた(本件売買契約)。しかし、被告には事業の実態が存在しないにもかかわらず、被告が勧誘時に不実の告知をしたことにより、被告がその事業所において通信機器の開発製造等の事業を行っていると誤信したとして、本件売買契約を法4条1項1号により取り消し、不当利得として既に支払った売買代金の返還を請求した。

【判断の内容】
 被告は、原告を知らないし、被告が原告に対して被告の株式を売却したこともなく金員も受領していないなどと主張した。しかし、原告が被告の株式の売買代金を振り込んだ被告名義の預金口座は、被告の預金口座であると被告も認めており、売買代金の一部の送金先が被告の預金口座であったこと等からすれば、被告が会社として本件売買契約に関与したことは明らかである。被告に事業の実態がほとんどなく、その株式に実質的な価値がなかったことも明らかであり、原告が、被告従業員を名乗る者から被告の事業の実態等について不実の告知を受けてこれを誤信し、本件売買契約を締結したと認められる。よって、被告は、原告が支払った売買代金を不当利得として原告に返還する義務を負うとした。

◆ H24.02.23東京地裁判決

2012年12月1日 公開

国セン発表情報(2012年11月1日公表)

【事案の概要】
 原告が被告から提供を受けたパチンコ攻略法(本件契約)について、断定的判断を提供されたものであるから法4条1項2号に基づき契約を取消すとして、原告が被告に対し、支払った金銭を不当利得として返還すること等を請求した。

【判断の内容】
 パチンコに勝てるか否かは不確実な事項であること、被告は原告に対し、本件契約締結の勧誘の際、本件契約の目的となるパチンコ攻略方法の内容について、パチンコに勝てるようになる旨の断定的判断を提供したこと、これにより原告がパチンコに勝てるようになると誤信したことが認められる。このことから、本件契約は法4条1項2号に基づき取消されており、被告は原告から受領した金銭の返還義務を負うとした。

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