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「2010年」アーカイブ|消費者契約法判例集

◆ H15.07.16京都地裁判決

2010年5月16日 公開

平成14年(ワ)第1789号学納金返還請求事件,平成14年(ワ)第1832号入学金返還請求事件,平成14年(ワ)第2642号学納金返還請求事件
最高裁HP,判例時報1825号46頁,消費者法ニュース56号165・167頁
裁判官 水上敏,福井美枝,尾河吉久
控訴審 H16.08.25大阪高裁判決

【事案の概要】
大学合格後,入学を辞退した受験生が,前納した入学金及び授業料等の返還を求めた。

【判断の内容】
① 学納金の法的性格について,特段の事情がない限り,その名目にかかわらず,広い意味ではすべて大学等が提供する狭義の教育活動その他の役務,施設利用 の対価であるとし,そのうち,入学金の法的性格について,学生としての地位を取得するについて一括して支払われるべき金銭であって入学に伴って必要な学校 側の手続き及び準備のための諸経費に要する手数料の性格を併せ有するとした。
② 「平均的な損害の額」(9条1号)の主張立証責任は事業者が負うとした。
③ 在学契約の始期となっている4月1日以降に入学を辞退した者については,学生としての身分を取得した以上,大学は入学金に対応する契約上の義務を履行 済であるとして,入学金の返還は認めず,それ以外の学納金の返還を認めた。4月1日より前に入学を辞退した者については入学金と授業料の返還を命じた。い ずれも,平均的損害の主張立証が不十分,またはないとして,学納金不返還特約全体が無効とした。

◆ H15.05.14東京簡裁判決

2010年5月16日 公開

平成14年(ハ)第85680号立替金請求事件
最高裁HP,消費者法ニュース60号213頁
裁判官 廣瀬信義

【事案の概要】
絵画のクレジット代金を支払わなかった消費者に対し,クレジット会社が代金の支払いを求めた。

【判断の内容】
以下の理由から,立替払契約の取消を認め,請求を棄却した。
① 販売店の担当者が「退去させない」旨告げたわけではないが,担当者の一連の言動はその意思を十分推測させるものであり,販売店の不適切な勧誘行為に困惑し,自分の意に反して契約を締結するに至ったものであるとして,4条3項2号に該当する。
② 取消権を行使した日は契約日から6ヶ月以上経過していたが,商品の引渡日からは6ヶ月が経過していなかったところ,引渡しを受けた段階でもいまだ困惑状態が継続していたとして,引渡しの時から取消権の行使期間が進行するとして,取消権の行使は有効である。

◆ H15.05.13千葉簡裁判決

2010年5月16日 公開

平成14年(ハ)1312号,1313号貸金請求事件
消費者法ニュース65号28頁
裁判官 井上隆義
控訴審 H15.10.29千葉地裁判決
上告審 H16.02.26東京高裁判決

【事案の概要】
貸金業者の保証人に対する保証債務履行請求。実質的借主が誰であるか,主債務者の支払能力,融資金の使用目的及び弁済金の支払い方法について,虚偽の事実 を主債務者から告げられ,保証人が誤信して保証人となった,貸金業者はその事情を知っていたとして,第三者による詐欺(民法96条2項)による取消しを主張した。

【判断の内容】
主債務者(第三者)による欺罔行為により,実質的な借主が別人であることを知らなかったこと,貸金業者担当者がそのような本件背景事情を単に知っていたと いう以上に相当程度に関与していたことを認定し,民法96条2項の要件を満たすとして,第三者による詐欺取消しを認め,貸金業者の請求を棄却した。

◆ H15.04.22東大阪簡裁判決

2010年5月16日 公開

平成15年(ハ)第234号損害賠償請求事件
消費者法ニュース56号148頁
控訴審 H15.09.26大阪地裁判決

【事案の概要】
子犬の売買において,感染症に罹患した子犬が引き渡された後に同犬が死亡したことにつき,消費者が,売買代金の返還を求めた。

【判断の内容】
生命保証制度に加入しなかった場合,販売会社は免責されるとの契約条項は,1条及び10条に照らして無効であるとして消費者からの請求を全面的に認めた。

◆ H15.03.26さいたま地裁判決

2010年5月16日 公開

平成14年(ワ)第2347号違約金請求事件
金融商事判例1179号58頁,私法判例リマークス29号50頁
裁判官 豊田建夫,松田浩養,菱山泰男
確定

【事案の概要】
消費者が,LPガスの切り替え工事,ボンベ交換の契約後1年未満で販売会社を変更した場合には,88,000円の違約金を支払う旨の違約金条項は,9条1号により無効であると主張した。

【判断の内容】
① 「平均的な損害の額」(9条1号)の立証責任について,同法が消費者を保護することを目的とする法律であること,消費者側からは事業者にどのような損 害が生じ得るのか容易には把握しがたいこと,損害が生じていないという消極的事実の立証は困難であることなどに照らし事業者側が負うとした。
② 本件においては,平均的な損害について事業者から具体的な主張立証がない以上,「平均的な損害」やそれを超える部分を認定することは相当ではないとし,88,000円の返金を命じた。

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