未登載
【事案の概要】
大学合格後,入学を辞退した受験生が,前納した入学金及び授業料等の返還を求めた。
【判断の内容】
除籍の日の翌日から当該会計年度の末日までの期間に対応する授業料等の額をもって9条1号にいう「平均的な損害の額」と解するのが相当とし,授業料を返還 しないとの特約は同号によっても無効とならないとした。入学金については「入学資格を得た対価」として返還義務を否定した。
未登載
【事案の概要】
大学合格後,入学を辞退した受験生が,前納した入学金及び授業料等の返還を求めた。
【判断の内容】
除籍の日の翌日から当該会計年度の末日までの期間に対応する授業料等の額をもって9条1号にいう「平均的な損害の額」と解するのが相当とし,授業料を返還 しないとの特約は同号によっても無効とならないとした。入学金については「入学資格を得た対価」として返還義務を否定した。
平成14年(ワ)第20640号不当利得返還請求事件
未登載
控訴審 H17.03.10東京高裁判決
上告審 H18.11.27最高裁判決(1)
差戻審 H19.05.23東京高裁判決
【事案の概要】
大学合格後,入学を辞退した受験生が,前納した入学金及び授業料等の返還を求めた。
【判断の内容】
授業料を返還しないとの特約は9条1号により無効であるとして返還を命じた。但し,原告のうち授業が開始される前に在学契約を解除していない者については,授業料の返還を否定した。入学金については「入学資格を得た対価」として返還義務を否定した。
平成15年(ワ)第343号不当利得返還請求事件
未登載
裁判官 髙木勝己
【事案の概要】
合格者が3月22日入学を辞退し,前納した入学金及び授業料等の返還を求めた。
【判断の内容】
授業料を返還しないとの特約は9条1号により無効であるとして返還を命じた。入学金については「入学手続上の諸費用」であるとともに「入学できる地位を取得することへの対価」であるとして返還義務を否定した。
なお,平均的損害については,事業者たる被告がその情報,証拠を保有しているのであるから被告が主張,立証責任を負うとした。また,被告が4年間の学納金 全額が平均的損害になるとしたのに対し,入学辞退者が相当数あることを予測しており,定員を大きく上回る数の学生が入学している事実が認められ,事前に予 測できた範囲内の辞退者から4年間の学納金が得られなかったとしても,それは平均的損害とはいえず,原告の入学辞退が被告の予測の範囲を超えていると認め られず,むしろ定員を大きく上回る入学者がおり,平均的損害は発生しているとは認められないとした。
なお,代理徴収している後援会費等については預り金的性格であり,教育役務等の提供に密接に関連するものであるから,授業料と一体として検討されるべきものとしている。
平成14年(ワ)第9620号学納金返還請求事件
未登載
裁判官 川神裕,山田明,川朋子
【事案の概要】
4月1日より前に入学を辞退した合格者が,前納した入学金及び春期授業料等の返還を求めた。
【判断の内容】
平均的損害について立証責任は消費者にあるとし,被告が平均的な損害額を4年分の授業料相当額としたのに対しては,在学契約は準委任又はこれに準ずる性質 を有する無名契約であり,ここにいう損害とは,契約が存続・継続することを想定していたため,他の収入を得る機会を失ったことなど,解除が不利な時期にさ れたことから生ずる損害に限定すべきであり,受け取るはずであった授業料の逸失をもって平均的損害ということはできないとし,また,被告が非財産的損害が 生じたとしたのに対しては,9条1項にいう「平均的損害」には非財産的損害が含まれるとは解することができないとした。そして,入学辞退が4月1日より前 であったことから,4月1日までの入学辞退による平均的な損害の発生はないから,入学金を除く春期授業料等については返還すべきであり,春期授業料等を返 還しないとの特約は9条1号により無効であるとして返還を命じた。入学金については「学生としての地位の取得の対価」であり,「入学手続及び受入準備に要 する手数料又は費用」「入学資格を得た対価」として返還義務を否定した。
平成14年(ワ)第6381号学納金返還請求事件
未登載
裁判官 川神裕,山田明,川朋子
【事案の概要】
大学合格後,3月10日ごろ学納金返還システムの問い合わせをし,4月1日入学式を欠席した合格者が3月10日または遅くとも4月1日に入学を辞退したことにより,前納した入学金及び春期授業料等の返還を求めた。
【判断の内容】
4月1日の入学式欠席について大学からその理由の確認があり,この時に入学辞退の意思表明が認められるが,入学辞退が4月1日になされていることによって 大学には少なくとも平均的損害として,半年分の授業料及び施設費等の損害が生じているとして,春期授業料等の返還を否定した。入学金については「学生とし ての地位の取得の対価」であるとともに「入学の手続等の手数料又は費用である」として返還義務を否定した。