消費者契約法判例集〈判決日順〉〔80〕
この判例集は,公刊物,雑誌,最高裁判所HP,兵庫県弁護士会消費者問題判例検索システム,消費者契約法に関心のある方々からの情報提供等により,消費者契約法に関連する判例を集め,一覧にしたものです。記載内容については正確を期しているつもりですが,これを保証するものではありません。詳しくは原典にあたるなどして確認をしてください。
掲載内容について,誤り等を見つけられた場合には,当事務所までご一報いただければ幸いです。
また,消費者契約法に関するこんな判例を見つけた,あるいはこんな判例を獲得した!という方は,是非情報を提供していただきたく,よろしくお願いいたします。
◆ H14.03.12神戸簡裁判決
平成13年(ハ)第2302号入所費等返還請求事件
兵庫県弁護士会HP,消費者法ニュース60号211頁
裁判官 福富昌昭
控訴後確定
【事案の概要】
歌手志望で俳優等養成所に入所直後,思っていたものと違うとして不実告知等による取消等を主張し,支払済費用の返還を求めた。
【判断の内容】
3ヶ月後の月謝の値上げを告げなかったことが不利益事実の不告知(4条2項)に該当するとして取消を認めた。
◆ H13.11.29札幌簡裁判決
平成13年(ハ)第5333号和解金請求事件
消費者法ニュース60号211頁
確定,欠席判決
【事案の概要】
平成11年2月に借り入れた20万円の返済についての平成13年6月にした和解契約(遅延損害金年率 26.28%)に基づく事業者からの貸金返還請求訴訟。
【判断の内容】
遅延損害金の率を9条2号により年14.6%に制限した。
◆ H13.07.18川越簡裁判決
平成13年(少コ)第30号入会金請求事件
消費者法ニュース60号66頁
裁判官 池田聡介
【事案の概要】
事業者からの旅行情報提供サービス会員の入会金請求訴訟に対し,消費者が支払方法につき不実告知等による取消を主張した。
【判断の内容】
① 事業者の説明内容の評価について,1条の趣旨から,事業者の専門的な常識を前提に個々の説明の意味内容を確定することは妥当ではなく,当該契約時の状況を基礎として平均的な消費者を基準にして評価すべきものであるとした。
② その上で,事業者の説明内容について,サラ金からの借入が条件であるのに,自社割賦であるかのような説明内容であったとして,不実告知による取消を認めた。