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 この判例集は,公刊物,雑誌,最高裁判所HP,兵庫県弁護士会消費者問題判例検索システム,消費者契約法に関心のある方々からの情報提供等により,消費者契約法に関連する判例を集め,一覧にしたものです。記載内容については正確を期しているつもりですが,これを保証するものではありません。詳しくは原典にあたるなどして確認をしてください。
 掲載内容について,誤り等を見つけられた場合には,当法律事務所までご一報いただければ幸いです。
 また,消費者契約法に関するこんな判例を見つけた,あるいはこんな判例を獲得した!という方は,是非情報を提供していただきたく,よろしくお願いいたします。

◆ H23.02.22東京地裁判決

2013年6月25日 公開

平成22年(ワ)第35889号、第39833号立替金請求事件、反訴請求事件
ウエストロー・ジャパン
裁判官 綿引穣、佐藤重憲、金洪周

【事案の概要】
 金銭消費貸借契約に関する媒介委託契約の手数料及び同契約に付随して立替金を支出したとしてその返還を求めた(本訴)ことに対し、原告が被告の所有する不動産に設定した根抵当権の抹消手続を協力しなかったことによる損害賠償請求及び不当利得の返還を求めた(反訴)事案。

【判断の内容】
 本訴請求を棄却し、反訴を一部認容したが、その理由中で、遅延損害金割合を年21.9%としていた立替金償還特約について、9条2号により年14.6%を超える部分を無効とした。
 

◆ H23.02.24東京地裁判決

2013年6月25日 公開

平成21年(ワ)第3443号、平成22年(ワ)第1164号建物賃料増額確認等本訴請求事件、建物賃料減額確認等反訴請求事件
ウエストロー・ジャパン
裁判官 小崎賢司

【事案の概要】
 建物賃貸借契約における賃料増額請求、賃料減額請求(反訴)事件。礼金、更新料の支払いが10条にあたるかどうかが争われた。

【判断の内容】
① 礼金条項について、契約締結に対する謝礼金を原告に贈与することを義務づけるもので,被告は礼金の支払によって何らの対価も取得しないことが認められるから,かかる金銭の贈与を契約締結の条件とする旨の礼金支払条項は,本件賃貸借契約の成立において,民法による場合に比べて被告の義務を一方的に加重するものと認めるのが相当とし(10条前段要件)、また、本件賃貸借契約の締結にあたって賃貸人たる原告から金額を定めて提示された条件であると認められるところ,被告は,同条項に合意することを拒否すれば本件建物を賃借することを断念せざるを得ず,あるいは,契約締結後の関係悪化を慮ってその免除ないし減額の交渉を強硬に主張し難い立場にあるといえるから,原告と被告との間には交渉力の格差が存したものというべきであり,前記礼金支払条項は,信義則に照らして被告の利益を一方的に害するとして(10条後段要件)、10条により無効とした。
② 本件更新料条項については、主に賃貸人による更新拒絶権の放棄や契約期間中の賃借人の地位の安定という利益の対価にあたるとして、賃借人たる被告の義務のみを一方的に加重したものとは認められず,それが新賃料の1か月分にとどまることに照らせば暴利にあたるとも認められないから,同条項は無効とは認められないとした。

◆ H23.03.17東京地裁判決

2013年6月25日 公開

平成21年(ワ)第28066号債務不存在確認等請求事件
ウエストロー・ジャパン
裁判官 矢作泰幸

【事案の概要】
 貸金業者から1400万円を借りた者が、期限の利益を喪失したとして一括払い請求を受けたことから、契約書の約定返済方法とは異なる返済(30年分割)の説明を受けていたとして、不実告知(4条1項1号)による取消を理由として、債務不存在確認、根抵当権抹消請求をした事案。

【判断の内容】
 継続的金銭消費貸借媒介契約書の記載や返済状況等から、不実告知があったものと認定し、金銭消費貸借契約の取消を認め、債務不存在確認、根抵当権抹消請求を認めた。

◆ H23.03.23東京地裁判決

2013年6月25日 公開

平成21年(ワ)第17341号不当利得返還請求事件
ウエストロー・ジャパン
裁判官 端二三彦

【事案の概要】
 沈没船引き上げに関する事業を行うと称して匿名組合契約の勧誘を受け100万円を出資した者による、不実告知による取消等に基づく不当利得返還請求。

【判断の内容】
 パンフレットの記載や勧誘行為から、業者に不実告知があったとして、4条1項1号による取消を認め全額の返還請求を認めた。

◆ H23.04.20東京地裁判決

2013年6月25日 公開

平成22年(レ)第2000号不当利得返還請求控訴事件
ウエストロー・ジャパン
裁判官 松並重雄、伊丹恭、國原徳太郎

【事案の概要】
 馬券自動購入資産運用ソフトウェアの購入契約の取消に基づく不当利得等返還請求。不利益事実の不告知が争われた。

【判断の内容】
 以下のとおり不利益事実の不告知(消費者契約法4条2項、特商法9条の3第1項2号)による取消を認め、不当利得返還請求を認めた。
① 「プランを設定すれば,本件商品が自動的に馬券を購入し,1か月で3,4割の利益が上がる。」「ワイドは,選択した2頭の馬が順不同で3着以内に入ると当たりとなる馬券であり,当たる確率が高く,ローリスク・ローリターンなので,資本金が少ない人が利用するのに向いている。」「(本件商品を用いた資産運用による)利益を保証する。」旨を述べたことは、「重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ」たものと認められる。
② 本件商品は,被控訴人が,運用金額である「資本金」を設定し,これをパソコンが馬券に自動的に投資した結果,「投資回収額」を獲得するものであると認められ,この事実に照らせば,本件商品を用いた資産運用において「投資回収額」が「資本金」を下回ることにより,被控訴人に損失が生ずる恐れがあるものと認められるから,「投資回収額」が「資本金」を下回る恐れがあることは,被控訴人の「不利益となる事実」に当たる。
③ 本件告知は,消費者をして,本件商品が馬券の購入を機械的にナビゲートするものではなく,過去のデータを分析した上で,損失を回避して利益が出るようにナビゲートするものである旨を認識させるものと認められるから,本件不利益事実は,本件告知により「不利益となる事実が存在しないと消費者が通常考えるべきもの」に当たるものと認めるのが相当。


◆ H23.05.27札幌高裁判決

2013年6月24日 公開

平成23年(ネ)第92号損害賠償請求控訴事件
ウエストロー・ジャパン
裁判官 小林正、片岡武、湯川克彦

【事案の概要】
 業者の未公開株を購入させられた者が、業者及び代表取締役に対し不法行為に基づく損害賠償請求等をした事案。

【判断の内容】
 以下のように判断し、断定的判断の提供にあたるのみならず不法行為となるとして、損害賠償請求を認めた。
① 顧客に対し,業務の一環として,一般公募価格は1株100円となっているが1株50円で株主のうちの希望者に割り当てる,申込み先着順に受付をするので18万株になったら締め切る,第三者割当で1株50円の優待は今回で終了するなどと言葉巧みに未公開株である同社の株式を購入するよう勧誘し,顧客はこの勧誘に応じて,本件購入1ないし4の4回にわたり,業者の株式合計20万株を1株当たり50円,代金合計1000万円で購入しているところ,代表取締役らはこれらの勧誘の際,業者が近々,遅くとも平成21年秋ころまでには株式を上場し,上場すれば株価は500円程度になる旨の説明をし,この説明を受けた顧客は,説明どおりに株式が上場され,利益を得られると考えて本件購入に至ったことが認められる。しかるに,本件購入当時,業者において株式の上場に向けて具体的に作業を進めていた様子は窺われず,現在でも株式上場の見通しは立たない状態である上,株式の価値としては50円もないのであるから、上記説明は断定的判断の提供に当たる。
② そして、このような勧誘は社会通念上許容しうる範疇を超えており、不法行為を構成する違法なものというべき。

◆ H23.06.13横浜地裁横須賀支部判決

2013年6月24日 公開

平成21年(ワ)第337号保険金請求事件
ウエストロー・ジャパン
裁判官 杉山正己、河本晶子、中村修輔

【事案の概要】
 保険金請求事件。猶予期間中に保険料が払い込まれず、かつ、積立金からの保険料の払込みが行われないときは、保険契約は失効する旨の無催告失効特約があり、当該条項が10条により無効となるかが争われた。

【判断の内容】
 以下のように判断し、無催告執行特約は10条により無効とはならないとした。
① 本件無催告失効特約は、10条前段要件を満たす。
② 後段要件について、1カ月の猶予期間が設けられていること、振替制度により失効回避の配慮がされていること、美入通知や振替通知を送付して通知することがなされていることから、後段要件は満たさない。

◆ H23.06.22さいたま地裁判決

2013年6月24日 公開

平成22年(レ)第68号報酬金請求控訴事件
最高裁HP、ウエストロー・ジャパン
裁判官 原啓一郎、古河謙一、猪坂剛

【事案の概要】
 信用情報収集調査等を業務とする業者が、調査委任契約の委任者である顧客に対し、顧客による解除の意思表示までに本件契約に基づいて調査を実施したとして、その報酬の支払を求めた事案。一審が請求を全部認容したことから、顧客が控訴し、退去妨害により契約を締結させられたと主張し、退去妨害(4条3項2号)による取消が争われた。

【判断の内容】
 報酬が高額であることに驚き,「お金がないから帰る」と言って,恐くなって立ち上がったところ、「このままにしておくと,どこへ越してもつきまといますよ」「今まで説明させて帰る気か」などと言われ、忘れられないほど恐かったので,契約をせずには帰れないと思ったこと、夜9時30分ころまで2時間半ないし3時間拘束されたこと等から、退去妨害によって契約を締結したものと認め、取消を認め業者の請求を棄却した。

◆ H23.06.30東京地裁判決

2013年6月24日 公開

平成22年(ワ)第14216号、第39951号不当利得返還等請求事件
ウエストロー・ジャパン
裁判官 堂薗幹一郎

【事案の概要】
 パチンコ攻略情報等を購入する対価として、被告会社に金員を支払った原告が、被告会社の従業員から勧誘を受けた際に、不実の告知や断定的判断の提供があったと主張して、被告会社やその代表者、従業員らに対し、不法行為に基づく損害賠償又は不当利得の返還を求めた事案。

【判断の内容】
 不実告知、断定的判断の提供にあたる他、詐欺にもあたり、不法行為となるとして、損害賠償を命じた。
① 被告会社の行為(自社の来訪ブースにあるパチンコ機を利用し,担当者が指示する方法で原告にパチンコをさせ,意図的に大当たりを作出した)は,原告に対し,あたかも,同様の方法を用いればあらゆるパチンコ店で同様の状態を作出することができるかのように誤信させる目的でなされたもの。また、被告会社の担当者は,原告に対し,同社の攻略法を用いれば必ず利益が上がるかのような言辞を用い,執拗に勧誘を繰り返していた。
② また,前記認定事実によれば,被告会社は,原告から,被告会社の提供するパチンコ攻略法を用いてパチンコをしても利益が上がらない旨の苦情を受けると,担当者を次々と交代させて,これを交わし,新たな担当者に同様の勧誘をさせることによって,更なる利益を上げていたものと認められる。
③ そうすると,被告会社の担当者が行っていた前記一連の行為は,いずれも,消費者契約法4条1項1号及び2号所定の不実の告知及び断定的判断の提供に当たるだけでなく,民法96条1項所定の詐欺にも当たるものというべきであって,原告に対する不法行為を構成するものと認められる。

◆ H23.08.18東京地裁判決

2013年6月23日 公開

平成22年(ワ)第41347号保険金請求事件
ウエストロー・ジャパン
裁判官 志田博文、杉本宏之、後藤隆大

【事案の概要】
 責任開始期から2年以内の自殺は免責される旨及び保険契約が失効の後、復活した場合の責任開始期は、被告が延滞保険料を受け取った日とする旨の特約がある生命保険契約において、保険料猶予期間の末日の経過により保険契約が失効するとする本件失効条項に基づき失効し、復活条項に基づく復活による責任開始日から2年以内に自殺した被保険者の妻である原告が、被告に対し、生命保険金の支払等を求めた事案。本件失権条項が10条により無効となるかが争われた。

【判断の内容】
 以下の理由から本件失権条項が無効であるとして請求を認めた。
① 本件失権条項は、10条前段要件を満たす。
② 後段要件について、保険契約の継続という利益は消費者にとって極めて重要。他方、民法が履行遅滞による解除権の発生に相当期間を定めた履行の催告を要求する趣旨は、契約が解除されるという不利益を受ける前に債務者に履行の機会を付与する点にあるところ、本件保険契約における履行の催告は消費者にとって極めて重要な利益。そして、保険会社の利益は、通知コストの軽減という付随的な利益にとどまる。
 従って、消費者契約である生命保険契約に付された履行の催告及び解除の意思表示を不要とする特約は,通知コストの軽減という付随的な利益のために保険保護の継続という保険契約における本質的な利益を制限するものであり,保険料の支払が口座振替によりなされる旨合意されている場合には,保険契約者が履行遅滞にあることや保険契約が失効したことを確定的に認識しうる措置等保険保護された状態を維持しうるような措置がとられているなどの特段の事情のない限り,信義則に反して消費者である保険契約者の利益を一方的に害するものとして,消費者契約法10条により無効となると解するのが相当。
③ 本件の猶予期間の定め、自動振替貸付制度の定め、復活条項は前記特段の事情を肯定する事情としては足りない。催告の実質を有する特則通知書を送付する社内体制となっていることだけでは、催告を不要とする根拠となるとはいえない。

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