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◆ H23.12.13京都地裁判決

判決年月日: 2011年12月13日
2012年2月4日 公開

平成20年(ワ)第3842号解約金条項使用差止請求事件、平成21年(ワ)第3478号解約金請求事件、平成23年(ワ)第1094号解約金返還請求事件、平成23年(ワ)第2581号不当利得返還請求事件
消費者庁HP判決写し(PDF、京都消費者契約ネットワークHP)国セン発表情報(2012年11月1日公表)、判例時報2140号42頁、金融商事判例1387号48頁、現代消費者法17号79頁
裁判官 瀧華聡之、奥野寿則、堀田喜公衣
適格消費者団体 京都消費者契約ネットワークHP
事業者 株式会社セレマ、株式会社らくらくクラブ
控訴審 H25.01.25大阪高裁判決

【事案の概要】
適格消費者団体が冠婚葬祭の相互扶助や儀式設備の提供等を業とする株式会社セレマ及び旅行業や相互扶助的冠婚葬祭の儀式施行に関する募集業務等を業とする株式会社らくらくクラブに対し、①被告セレマ及び被告らくらくが消費者との間で締結している互助契約又は積立契約において、それぞれ契約解約時に支払済金額から「所定の手数料」などの名目で解約金を差し引くとの条項を設けていることに関し、同条項は消費者契約法第9条第1号又は同法第10条に該当するものであり、消費者に対し解約金を差し引くことを内容とする意思表示を行わないこと、②①が記載された契約書雛形が印刷された契約書を破棄すること、③従業員らに対し、①の意思表示を行うための事務を行わないこと及び②の契約書の破棄を指示することを求めた事案。

【判断の内容】
いずれも、以下の理由から請求を認容した。
(被告セレマに対し)
① 9条1号にいう「平均的な損害」とは、契約の解除の事由、時期等により同一の区分に分類される複数の同種の契約の解除に伴い、当該事業者に生じる損害の額の平均値をいう。
② 一人の消費者と被告セレマとの間で締結される消費者契約である本件互助契約にあっては、「平均的な損害」の解釈にあたっても、一人の消費者が本件互助契約を解約することによって被告セレマに生じる損害を検討する必要がある。
③ 本件互助契約に関して消費者から冠婚葬祭の施行の請求があるまでにされた解約によって、月掛金を1回振替える毎に被告セレマが負担した58 円の振替費用をもって被告セレマに損害が生じているというべきであり、その限度を超える解約手数料を定める解約金条項は9条1号により無効である。
(被告らくらくに対し)
④ 不特定多数の消費者との関係での被告らくらくの業務維持及び販売促進のための費用については、一人の消費者による契約の解約にかかわらず、常に生じるものといえるため、「平均的な損害」には含まれない。
⑤ その他の費用については、当該一人の消費者が契約し、又は当該契約を解約することがなければ被告らくらくが支出することがなかった費用といえるため、「平均的な損害」に含まれうるが、本件においては上記費用の正確な数値が算定できない。
⑥ 本件積立契約においては、事務手数料として月額150円が被告らくらくに支払われており、外交員の集金手当、振替費用等は上記費用をもってまかなわれているとみるべきであり、解約手数料を徴収するとする解約金条項は9条1号により無効である。



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